涙で思い出す、命の約束
2025年10月07日 22:40
🌕涙で思い出す、命の約束
今日、久しぶりに実家に寄った。
誰もいない家の中は、少しカビのにおいがした。
時間が止まったような空気。
その匂いに包まれた瞬間、
子どもの頃の記憶が一気に蘇った。
母の声、父の笑い声、
夕飯の匂い、冬のストーブの音――
忘れていた光景が、次々と胸の奥から溢れ出した。
泣いた日も、笑った日も、
怒られたことも、ぜんぶ思い出された。
そのとき、胸がぎゅっとして、
涙が自然にこぼれていった。
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指輪も、ネックレスも、
形見として残るものは何もなかった。
けれど、私は気づいた。
「私こそが、母の形見なのだ」
母の笑顔も、母のやさしさも、
今、私の中で息をしている。
そして涙とともに思い出したのは、
佐藤康行先生の言葉。
「涙は宇宙への通り道」
「泣くことは宇宙(いのち)に協力すること」
「思いきり泣いてください」
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あぁ、そうか。
泣くということは、弱さではなかった。
それは、いのちがいのちを抱きしめる瞬間。
宇宙(いのち) の流れに身をゆだねる行為だった。
涙は、止まっていた愛が再び動き出すサイン。
私の中で静かに、
“命の約束”が目を覚ました。